シチズンの社史にも名を残す天体時計であるコスモサイン/アストロデアの設計者の上原秀夫氏が、今秋、退職することとなりました。
このモデルは上原氏の退職を記念して当サイトで独占的に販売される、革バンドゴールド新南天モデルです。ゴールドメッキのケースとライトイエローの星座盤を、絶妙な色調バランスで引き立てる、美しいブラウンの革バンドを付けた、高級感あふれる仕上がりです。星座盤は、時計回りに23時間56分4秒で一回転し、北緯35゚のみならず、地球裏側の南緯35゚で見えている星空も同時にリアルタイムで表示されるという言わば「腕上のマルチ宇宙」。上原氏のシチズン退職後は、おそらく二度と作られる事は無いでしょう。
シチズン コスモサインの復活、発展版として、ネット販売での相談を上原氏から受け、発売一年前から告知し、アストロデアの販売の中核サイトとして以来6年間、2005年の販売開始以来、数千台のアストロデアを販売してまいりました。時計自体が精緻感にあふれ、天体時計として唯一無二の存在であるアストロデアの販売にこれまで関われた事を感謝しております。
星座盤上に表示されている恒星や星雲星団が、非常に詳細な一方、大変見やすくなっています。これは、計15版におよぶ印刷版を使用し、印刷工程総数では20以上という、他に類を見ない多色細密印刷技術の素晴らしさゆえでしょう。ルーペなしでもかなり小さく表示された恒星や星雲星団までその存在が確認できます。
ライトイエローの文字盤は、天体表示部と時刻の視認性が特に高く感じられます。星座盤上の星座名も読みやすくなりました。
ケースは金メッキ仕上げです。一般的な時計のデザインとしても、非常に美しく、スーツなどのフォーマルな服装から、カジュアルやアウトドアのファッションにも幅広くフィットし、これにアストロデア全モデル中で最多天体表示数という精緻イメージも加わり、大人のステータスさえ感じさせてくれます。
薄型の球面サファイアガラス(無反射コーティング)を採用しました。
限られた表示スペースの中に科学的視点に立ち極限まで追い求めながら長年かけて完成させた 絶妙なバランス感覚の天体表示機能部はもちろん、その機能を実現させるシチズン独自の専用ムーブメント、 さらにケースからルーペなどの付属品に至るまで、 一般ユーザーはもちろん天体に親しむユーザーの方にも満足していただける仕様にこだわりました。
主な仕様
・ケース:ステンレス(金メッキ)
・バンド:高級牛革(イタリア製カーフ使用、クロコダイル模様の型押し仕上げ)
・風防ガラス:球面サファイアガラス(無反射コーティング)
・防水機能:日常生活用防水(3気圧防水)
・機種:4P82
・時間精度:平均月差±20秒(常温携帯時)
・天体表示基準緯度:北緯35゚および南緯35゚
・星座盤回転周期:約23時間56分04秒
・星座盤の回転方向:右回転(通常時)
・使用電池:小型銀電池1個 SR626SW
・電池寿命:約3年
・メーカー保証:1年間
・ケース直径:約42.5mm
・ケース厚さ:約10.2mm
・重さ:約54g
・適応サイズ:19.6cmまで(手首周囲)
・その他:ASTRODEAルーペ(×10、PEAK2032)、化粧箱、共通取扱説明書Vol.1&保証書(全76頁)付
高級ルーペの老舗として名高い東海産業株式会社から発売されている 高性能ルーペPEAK2032を同社の協力によりASTRODEAブランドの標準付属品として製作していただきました。 採光部が広く天体表示部全体をカバーする明るい視野スペースは、 正にこの天体ウォッチのために作られた仕様です。
ルーペを知り尽くした拡大率×10で2枚構成による収差の少ない設計は、 一般的な拡大率3倍前後のシングルレンズのものとは細部および視野全体の解像力が全く異なります。 例えば、最小径約0.1mmで表示された恒星のスペクトル識別さえも判別できます。 この高性能ルーペは、1個あると何かと重宝です。 細かいセットや読み取りを必要とするアストロデアウォッチには欠かせません。
このルーペを全ASTRODEAウォッチに標準添付、 特にASTRODEAブランドのルーペはASTRODEA天体ウォッチを購入された方しか持っていないという、 貴重なユーザーの証しでもあります。
このモデル(新南天/両半球対応)が魅力的なのは、 日本から見えない南半球の美しい星空を表示しているということだけではありません。 両半球対応の意味は、北緯35゚の星空の90%以上の領域までもリアルタイムで表示している事です。楕円形の外側、すなわち表示面下側の楕円形の外側は北緯35゚の星空をリアルタイム表示し、特に季節変化の大きい南の空の星座は、 全天モデルに比べて非常に歪みの少ない実際の星座の形に近い表示が出来るのです。分かりやすい解説が「天体時計の面白さ」に掲載されています。
北半球での星座は、天の北極(北極星付近)を中心に反時計まわりに巡っていますが、北側の星空は、四季の変化が乏しく、いわゆる季節の星座は南側にある事を考えると、 この両半球対応の新南天は、表示面の美しさも相まって一番のオススメと言えます。
星空観察の際に、通常の星座早見をお使いの方には、機能的に重なり、 普段見慣れた表示面下側の楕円内だけで星座を表示する全天タイプより 円形の星図全面で両半球の星空を表示する新南天/両半球対応の表示面はより魅力的に映る事と思います。
ASTRODEA新南天ウォッチの特長は、ASTRODEA全天ウォッチに比較して南天の歪みが小さく、 太陽や月や惑星が運行する主要な天球の領域が見たままに近い自然な感覚で表示されることで、 星座早見盤を使い慣れていない方でも実際の星空との対応の容易なことです。
北緯35゚で見られる天球の約90.4%を表示するとともに、 地球裏側の南緯35゚で見られる天球のほぼ全範囲(約98.6%)も同時表示します。 南北両半球対応型のダブル星座表示機能付きで、 日本から見えない星空まで入った夢を感じさせる多機能型ウォッチです。 ASTRODEA新南天ウォッチの精密星座盤の表示範囲は、赤緯 -77.06゚ 〜 赤緯+55.57゚ で、 この中には全天球の1等星がすべて含まれています。
実視等級4.8等(変光星は極大等級)以上の明るさの恒星1,109個(0.1等級きざみスペクトル別4色表示)、 星雲星団171個、星座境界線、黄道、天の赤道などが2000.0年分点で表示され、最多天体表示数を実現しました。
星座名の学名略附表示総数も88(Ser2箇所を含む:へび座は2つに分かれている)に達し、UMi(こぐま座:天の北極がある)以外のすべての星座名が表示されています。 参考までに、ASTRODEA全天ウォッチの学名略附表示総数は、これより11少ない77で、12星座が非表示です。天体表示数が多いだけではありません。 恒星の平均等級がASTRODEA全天ウォッチに比較して明るく、 恒星分布の粗密コントラストも顕著で、華やかな星座表示面を持ちます。
ASTRODEA専用ルーペでASTRODEA新南天ウォッチの精密星座盤を覗くと実に細かな多くの図形が目に入ってきます。 次にどれだけの位置情報がこの精密星座盤に表示されているか数えてみましょう。 何と言っても一番多いのが1,109個の恒星です。
次いで星雲星団の171個、10分間隔の赤経目盛の144個、黄道上の各月1日、11日、 21日の太陽平均位置(平均的な年の世界時12時基準)が36個、北極星および八分儀座σ星の赤経マークが計12個、 天の赤道1個、星座境界線です。最後の星座境界線はカウントが難しいので除いたとしても、 総数1,473個に達しています。その一つひとつが意味を持っている訳です。 参考までに、ASTRODEA全天ウォッチでの同様な位置情報は、総数1,412個です。
その他細かな星座盤の表示内容の説明は省略しますが、例えば恒星の等級スケール部分を星のない部分に配置するなど、 細部にまで入念に検討の上で最適なバランスを目標にデザイン・レイアウトされています。 透明文字板には、2種の天体表示のための真高度-0.57゚の大気差を考慮した地平線、 最小角度間隔が15゚の大気差を補正した方位高度線、 主表示である北緯35゚ワイド南天表示型のための高度-8゚線、 方位記号(N、NE、E、SE、S 、SW、W、NW)、 基準緯度(北緯35゚を示す35Nおよび南緯35゚を示す35S)が表示されています。 文字板リングの年間カレンダー目盛は、 文字板の上側を中心とした北緯35゚ ワイド南天表示型を主表示とした条件で刻んであり、 文字板の下側を中心とした南緯35゚全天表示型は、 12時間の時差条件で星座盤を合わせることで南半球での使用もできます。 見やすい表示で豊富な天体情報が凝縮されたASTRODEA新南天ウォッチは、 美しいデザインの夢のある最先端の星座ウォッチとして活躍することでしょう。